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第60回記念 太空書道展 その1

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今朝目が覚めて、「 よし!行くぞ」と思い立ち、
慌てて支度をして、出かけた新潟の「第60回記念太空書道展」

今年に入って2回目の新潟です。



新潟が産んだ偉大な書家 故 中俣苗邦先生の門下の方々の書展です。

中俣先生が亡くなられて17年も経っているのに、先生の精神を会員の皆さんが受け継がれて、
意気軒昂、熱い想いが伝わってくる作品の数々でした。

会期中につき、本日は中俣先生の作品のみのご紹介にとどめます。



斎藤茂吉の歌
「陸奥(みちのく)をふたわけざまに聳(そび)えたまふ 蔵王の山の雲の中に立つ」

東北を太平洋側と日本海側とに二つに分け、中央にそびえ立つ蔵王の山の雲の中に私は立っている。
というような解釈でしょうか…

残念ながら私は中俣先生にお目にかかったことはありません。
しかし、自由で斬新で独創的なその作品をいつも憧れをもって拝見しておりました。
今回は中俣先生のこの作品を拝見することができ、また、ご門下の皆様の作品をたっぷりと鑑賞させていただき、
新潟へ伺って、よかったと思いました

本日の新潟行きの、もう一つの目的地。。。
駅前の「冨寿司」
以前、美味しいお寿司屋さんだと新潟の方からお薦めをいただき、
はまってしまいました。



さすがに新鮮な海の幸が自慢の新潟です。
特に南蛮エビは最高です。
お米も美味しいので、なおさらですね。

横浜のお寿司とはかなり違うような気がします。
私がいつも行く近所のお寿司屋さんは、廻るんです




第60回記念 太空書道展 その2

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前回に引き続き、新潟の第60回記念 太空書展のレポートです。

昨日で会期が終了されました。
太空会の皆様、お疲れ様です。


「観」の競作の1点 岡村けい守齋氏


     
左は内藤巌泉太空会会長「知足」
右は岡村けい守齋書展実行委員長「蛞蝓掛塩」



木原光威氏 
尾崎放哉句 「一斉に海に吹かるる芒(ススキ)かな」

いつも憧れの木原さんの作品です。
「うまいなぁ〜」いつも感心してしまいます 

ちょうどお目にかかりました。
皆さんが競作されている「観」の中に木原さんの作品がなかったので
「観」はどこ? と、質問をしたところ、
「気づいた時には締め切りを過ぎていて・・・ないんです。まっ、こんなものです。」と。

木原さんが「観」を書いたらどんな作品を発表されるのだろう?
逆にそんな想像が生まれたり、拝見できない悔しさがあったり・・・

作品のないところにも彼の存在感があるように思いました。





第53回現日書展

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新潟から帰った翌日は、現日書展の搬入、
その翌日から審査会の手伝い、
今日やっと審査結果の報告書を各団体や受賞者に送ることができました

審査会のお手伝いをしていて思うのです。
皆さん精魂込めて書かれた作品だから、
厳正に公平に審査されなければならないと。
勿論現日会は、その点 素晴らしいものです。

出品点数が多くないと賞に入らなかったり、
内申があったり、
審査にお金が動いたり・・・
そんな情けない審査はやっていません。

創設者 南 不乗先生の精神により、
作品本位。書く力のある作品と力の足りない作品を見極めていきます。

受賞者は賞をいただけたことが大きな励みとなるでしょうが、
賞をもらうために、書道展に出品をするのではなく、
自分に書く力をつけるため、自分の成長のためなのだという
目標を明確にもって書道展に臨んでもらいたい思います。

書展に出品することで、
作品を発表する緊張感が生まれます。
自ずから、作品制作に気合が入ります。
そして、自分磨きは少しづつ進行し、
やがて輝きを増してくるのです

受賞したとかしないとか、
そんなことは、「おまけ」があるかないかです。
私も「自分磨き」頑張ります

明日の朝、顔を洗うと
お肌がツルツルになっているかも???

現日書展会期は8月2日から、東京都美術館です。



もう一歩前へ

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昨日「第53回現日書展」の記事に
フェイスブックから30以上もの
「いいね」という反響をいただき、
有難うございました 

拙い言葉を並べて
ブログを綴っていますが、
見ていただける方
読んでいただける方がいてくださるのは、
とても嬉しいことです 

しかし、私はやっとのこと、
パソコンでブログを書いているのです。、
機械音痴なため
スマホは使えず、
ラインも
フェイスブックも
ツイッターもどのように操作するのか?
何のことやら、よくわかっていません 

このブログでさえ、
弟に「お姉ちゃんが自分でそんなことできるわけがない」と、決めつけられ、
主人や娘に作ってもらっているのだろうと疑われています。

でも、このブログは、一から自分でちゃんと作りました。(難しいことではなかったので…)

年をとると新しいことに挑戦するのに尻込みをしてしまいます。
でも、一歩踏み出して、ブログをはじめ、
新しいご縁をいただいたり、
ご覧頂いた方から、感想や情報をいただいたり、
嬉しい効果が生まれています。

麗川会の方々の中には、
これまで縁のなかったインターネットですが
私のブログを見るために「やっと自分で見れるようになりました」と 

ブログを初めて7ヶ月。
皆様に応援いただき、感謝です。

これからも頑張ります。

若い人へのメッセージ

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8月末のグループ展の作品制作をしなければと
時間が惜しい時期ですが、
どういうわけだかパソコンに向かっています。

機械音痴の私が自分の作品をフォトチャンネルにしてみました。
すでにこのブログに掲載したものがほとんどですが、
ご覧いただければ、幸いです 



娘が高校の国語の教員をしているのですが、
先日小論文の授業で
「書道」をテーマに論文を書いてきた生徒さんがいたそうです。

若い方々が書道に関心を持って下さるのは大変ありがたいことですが、
最近流行っている音楽にのって大きな文字を書くパフォーマンスや、
外人が着ている手書き文字のTシャツが日本文化の書道だというのは、
いかがなものでしよう。

それも一つの楽しみ方ではありますが、
「書の世界」は、底知れない奥深さがあり
それを探求する地道な鍛錬が必要です。

娘に依頼されて、高校生に理解してもらうために
「書道について」以下書いてみました。
拙文ですが、読んでいただければ幸いです。



 日本語は漢字と仮名を用いて表記されます。漢字は中国から伝来したものであり、仮名はその漢字を基に日本で作られたものです。ですから、我が国の文字文化は、中国の影響を色濃く受けているのです。書道もまた、中国から伝えられたもので、我が国の有名な書家は、すべて中国の書家が書いた古跡を手本として、書を学びました。
 現代社会において、携帯・パソコンの普及により、日本人は活字漬けになってしまい、手書きの文字に触れること、自ら文字を書く事が疎かになりました。活字は読みやすい特性は持ち合わせますが、機械で作られた文字という点から、筆者の心情を表現することは不可能です。その点手書きの文字は、書き手の温もりを感得することができ、手書きの文字の手紙を受け取ると、差出人の心が伝わります。
 現代は筆記用具・紙の普及により学校でもノートを取るなど、ペンや鉛筆、シャープペンシルなど使用することは当たり前ですが、昔はシャープペンシルがなく、ペンや鉛筆・紙は貴重品でした。人々は皆、筆を用いていました。現代において、書道をやるということは、趣味・道楽のように捉えられていますが、一昔前は、実用的に使用されていたものでした。書道が日本文化の一つとして捉えられる理由がそこにあります。
 書道は武道や華道・茶道というように「道」という文字がつきます。これは、長い間の修行が伴い、日本人特有の克己の精神を修練し、人格形成を目標とするものだと言われています。ただ、文字を書いたから「書道をやっている」ではなく、書道を通して立派な人間になろうとする努力が必要なのです。「書は人なり」「書は心の鏡」と言われ、書いた作品を見れば、書いたその人がどのような人かわかると言われます。
 また、現代において書作品は、平面芸術として、美を追求することも一つの要素です。単に美しさを追うばかりでなく、その作品から感じられる趣や風情により、作者の心情や思想を鑑賞者に訴える作品が求められます。
 先に述べたように文字や書道は中国で作られ、日本に伝来したものでありますが、近年は日本人独自の感性により、中国の書道とは違った面をもった作品の数々が発表され、日本独自の書道文化が確立されています。最近は、活字が一般的で、珍しい手書きの文字が注目を集め、ポスターや看板・商品のロゴなどに用いられることもしばしばです。
 近年、欧米諸国でも漢字が注目され、書道に興味を持って下さる方々も多いようですが、ますます多くの方々に見ていただき、絵画などと並ぶ芸術文化として、書道の普及を願いたいと思います。









南不乗生誕百年記念 第53回現日書展 本日より

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今日は昨日より4度ほど気温が低く、比較的しのぎやすい一日でした。

本日「南不乗生誕百年記念 第53回現日書展」の初日を迎えました

出品目録の裏には
「現日の道」と題し、創設者 南不乗先生の言葉が綴られています。

「一回展以来、現日は作品本位。
つまり理想主義を標榜して、その精神は堅持したと思っている。
芸術団体であるからは、当然そうあらねばならぬことであるから、
今後もこの精神のみを厳として、持続しなくてはならぬと考えていくし、
また次代にも、この精神は生きてゆくことだと確信している。」

現日会は、優れた公募作品を出品した方には、
「現日大賞」を与え、一挙に同人に推挙するという画期的なシステムがあります。
「作品本位」のモットーは、南先生が亡くなられて、23年たった今も受け継がれています。

今回、私の友人のYさんが、その「現日大賞」を受賞され、初出品で一気に同人になられました。
また、同門のIさんは、「現日準大賞」を受賞され、同人格となられました。



右が現日大賞のYさんの作品、左が現日準大賞のIさんの作品

お二人共、受賞するなどまるで意識がなかったようで、
お知らせしたときは、驚いておられました。
地道に努力を重ねられ、意欲的に作品制作に臨まれた二人です。
心よりお喜び申し上げます 

午前中からたくさんのお客様にお越しいただき、アタフタとしておりましたが、
昼食は、会長・事務局長と書道教育界でご活躍のN先生と私とで、
都美術館内の一番高級なレストラン「IVORY」にて会食。



美味しいローストビーフをいただきました 
席までお肉の塊がやってきて、その場でローストビーフを切り分けてくださるサービス。
ちょっとセレブになれた感じがしました 




南 不乗の書と理念

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第53回現日書展の会期も3日目になりました。

昨日は、南不乗生誕百年イベントとして、講師に書道ジャーナル主幹 小野寺啓治先生にお越しいただき、
記念講演会が行われました。

会場内には、南不乗コーナーが設けられ、遺作が12点展示されています。
作品の横には、先生のお言葉がそれぞれの作品に添えられています。

亡くなられて23年も経つのですが、
その作品もお言葉も色褪せることなく、
会場内に輝きを放っています。、
この南不乗コーナーは、いつも参観者で賑わっています 















他の書道展は、物まね作品が氾濫していますが、
現日会は「一人一党」の独自性を目指し、
自由に奔放に、そして「燃える」魂をもて
という創設者の遺志を継いでいるものです。

明日は休館日

会期は10日までです。
お時間がありましたら、お出かけください 

第53回現日書展 私の好きな作品 ?

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今日は都美術館が休館日です。
間違って行ってしまって、悔しい思いをされた方がいるのではないかと心配しています。

明日私は、麗川会の皆さんと21人乗りマイクロバスに乗って、都美術館へ出かけます。
都美術館の見学ツアーも、1月以来2回目。
遠足のようで楽しいのです。
12時に集合して、バスの中でお弁当を食べます。
本当は、折角バス旅行なので、スカイツリーとか浅草とか、ついでにコースに入れたいのですが、
暑い時期なので、都美術館で約1時間半の見学後、すぐに帰路につきます。

今日はいち早く、私の好きな作品をご紹介します。
今回の書展の楽しい話題作です



誰かの顔に見えませんか
私は「奴隷解放の父」リンカーン大統領の顔に見えます。
実際の作品より、写真に撮したほうがリアルです。
「自由」と題されたこの作品は、群馬の栗原正峰さんが書かれたものです。
黒く見える部分が全て「自」と「由」で埋め尽くされています。
伝統の書とはかけ離れていますが、肖像画と書のコラボ、それも新しい書の楽しみ方ですね。



私の作品の一部です。
今回は、仮名で「方丈記」を書きました。
ど―んと大きな作品のイメージが強いらしく、
今回はこじんまりとしているので、皆さんびっくりのようです

私が自分の作品の前にいたら、書展を熱心に見ていた友人が、
私の作品が認識できず「どこ?」と聞いてこられました。
「これです」
「えっ目の前にあるのに気づかなかった」と…
意外な作品に驚いておられました。










第53回現日書展 私の好きな作品 ?

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金文作家として活躍される中谷翠泉先生の作品。
「瓦當」と言って、軒丸瓦の先端の半円または円形の部分です。
先端には文様や文字が施されるのですが、
今回は、「下若上林」と書かれています。
どんな意味?と調べてみると、「下若」はお酒で、「上林」は果物だそうです。

現日書展の会場の入口 第1室の超大作(全紙2枚継10曲)の隣に展示されているのですが、
その超大作の迫力に負けない、存在感を示しています

円形や半円の線は、紙へのくい込みが強く、女性の線とは思えないほどです。
「現日の女性は強い」と男性からいつも言われていますが、
気が強いとか気性が激しいのではなく、
作品への意識が高いということだろうと思います。

作品には、作家の意識や思考が大きく反映されます。
鑑賞者は、意欲を持って臨んだ作品を見ると、作家の熱意を感じ取ることができます。

中谷先生の作品からいつもメラメラと燃える情熱が感じられるのは、
「良い作品を書きたい」と常々口癖のようにおっしゃり、それを実践されているからでしょう


本日は、麗川会の「現日書展見学ツアー」
雨に降られず、渋滞に巻き込まれることなく、
スケジュール通りに見学することができました。


上大岡にある富士バスさんのマイクロバスをお借りしました。
後ろ向きなのは、にこやかなドライバーの栗原さん

21人乗りの小さなマイクロバスのつもりが、
配車されたのは、25人ぐらい乗れるシートがフカフカな豪華バスでラッキー

書展会場では、賑やかな団体のお通り・・・でした






嬉しい訪問者

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暑〜い、暑〜い、一日でした。

上野駅を降りて公園口改札から都美術館への道のりは、
ことのほか暑さが堪えます。

ここ数日、現日書展通いをしていますが、
今日で拝見したのは、2回目。



どこの民族衣装でしょうか?
もしかして南米かな?
上野公園の木陰で、暑さを吹き飛ばす、
素敵な音楽を演奏している3人の外国の方がおられます。

その軽快なリズムは、上野公園内に響き、
たくさんの聴衆が周りを囲んでいます。
リズミカルな曲で、一緒に踊りだす方もいたりして。

演奏曲の中にサイモンとガールファンクルの「コンドルは飛んでいく」があって、
懐かしく聞き惚れていました 

そばに東京都の「ヘブンアーティスト」ののぼり。
ヘブンアーティストって何?
と、調べてみたら、
「東京都が実施する審査会に合格した
アーティストに公共施設や民間施設などを
活動場所として開放し、都民が気軽に
芸術文化に触れる機会を提供していくことを
目的としています 」
とのことです。


本日は友人のIさんが現日書展を見に来て下さり、
素敵なお友達を同行してくださいました。

鈴木さんという生まれつき脳性麻痺のハンディキャップのある男性ですが、
ヘッドギアに筆をつけて、30年近く書作をされているそうです。
鈴木さんを指導されている先生と
つきっきりでサポートされているヘルパーの方と
皆さんで熱心に現日書展をご覧くださいました 
書展をご覧になって、鈴木さんの次回作の構想が生まれた様子でした。



ちょうど池袋の西武デパートで「東京都障害者総合美術展」(主催 東京都)が開催中で、
そこで鈴木さんの「不言人是非」という作品が受賞されたそうです。(下の作品です)



長年、不自由なお身体にもかかわらず、
「書」に情熱を注いでおられる鈴木さんにお目にかかり、
健康な私たちは、もっともっとやらなければ、やれるんだという
勇気をいただきました 
ますます、鈴木さんにも、鈴木さんをサポートされる皆様にも、
頑張っていただきたいと思います。


西武池袋店の展覧会は、11日まで。
是非お立ち寄りください。





第53回現日書展 私の好きな作品 ?

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第53回現日書展の会期も、残り2日となりました。



現日会の庶務係主任 T先生の作品です。
「ばく焉」(漢字が難しくてブログ用の活字には表せないようです) 非常に遠いさま。遠くてはっきりしない様の意。
多分全紙6枚(横420縦70)の大作です。

豪放磊落でスケールの大きな作品をいつも書かれます。
人としての度量の大きさがそのまま作品に表れていると思います。

現日会の事務仕事や雑務の要になって、
みんなが嫌がる仕事を率先してやってくださり、
その献身的なお仕事ぶりは、いつも頭が下がります。
作品も大好きですし、そのお人柄を尊敬しています 




私の大の仲良し、Iさんの作品です。
「沙羅の花」
沙羅といえば、平家物語で
「沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす」と無常観を示し、
かれんで儚くといったイメージがぴったりの作品です。

現日会のHPは、彼女が主体で作ってくださっています。
海外旅行にも度々行かれ、見識が広く、パソコンに強く、お酒も強い、
素敵な友達です。


現日会には大好きな仲間がたくさんいます。
私は、その素敵な人々に囲まれて、本当に幸せです 


第53回現日書展 私の好きな作品 ?

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第53回現日書展も残すところ1日となりました。
明日の最終日は、午後2時終了となります。

書展が始まる時のワクワク感と対照的に
終わりが近づくと、名残惜しく寂しい気持ちになるのは、
私だけでしょうか? 

秋田や岩手では、「体験したことのない大雨」で
被害も出ているようです。
お見舞い申し上げます。

また、関東はものすごい暑さ。
明日は今日よりももっと暑いようで、
関東北部は38度の最高気温予想です。

皆さんくれぐれもご注意ください。

これまで現日書展の作品をいくつか、ご紹介してきましたが、
本日は、先日太空会書展でも素敵な作品を見せてくださった
木原光威氏の作品です。



(アキアカネ)蒼空に舞う 橋村満の詩より


いつもうまいなあと感心するのは、落款です。


(落款部分のみ拡大)

アキアカネというのは、赤とんぼのことですね。
都会では、赤とんぼなぞ、見なくなりました。
新潟の広大な自然の中に生活しておられるので、
選ばれる題材も作品も、ゆったりとした、おおらかさがあります。
都会に住んでいる者には、羨ましく、懐かく。

彼の作品は激しくもありますが、
私は、彼の作品の前に佇み、じ〜とその場を離れたくないような、
安らぎを感じます。






第53回現日書展 終了

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お陰さまで、第53回現日書展が終了しました。
猛暑の中をお運びくださった皆様、本当に有難うございました 

それにしても、暑いですね 

冷房の効いた建物から外へ出た時のうだるような不快感、
電車やバスから降りた時のむっとした空気、
街を歩くとアスファルトからの熱を感じ、
身体中の全ての毛穴から汗が吹き出るような、気持ち悪さを感じます。



今回の書展の私の作品です。
皆さんが全紙2枚継ぎを何本も書かれる中、私は半切2本とちょっと抑え気味に。
まあ、文字数は多いから、いいか…なんて 

鴨長明「方丈記」の冒頭を書いています。

この随筆は、「無常観」を表しているものですが、
長明は無常な世の中にただ絶望するのではなく、
その現実を受け容れながらも
自分らしく淡々と生きることの大切さを説いている。
と、作品解説に書いてありました。

平安王朝から鎌倉幕府へと政権が移った「戦乱・混迷の時代」に
「政治・戦の混乱」と合わせて相次いだのが「天変地異(自然災害)」、
人為ではどうしようのない自然の猛威に対しても、
鴨長明は冷静に『諸行無常の理』を語っています。


高校時代に古典の授業で習ったはずですが、
すっかり忘れてしまって、
今回、少しだけ読み返してみました。


「体験したことのない大雨」があったり、
40度近い猛暑続きだったり、
最近は、現代人もなすすべのない
異常気象に悩まされていますね。

また、今日も暑そうです。
皆様、どうぞご自愛ください。

第22回書展 グループ墨花

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例年、大学の同窓生 有志6名で夏にグループ展を開催しています。

現職の教員が含まれているので、夏休みでも休日が取れず、いつも会期は2日+半日。
初日は朝から展示をして、お昼からオープンです。
例年、初日に間違って早く来られる方がいらして、お昼まで待っていただいたり。 

「もっと会期を長くして・・・」とのご要望もいただくのですが、
これが精一杯でご容赦ください。 

それでも例年、たくさんの方にお越しいただき、
まるでバーゲンセール会場のように混み合うこともあったりして・・・

皆様に見ていただけることが、とても幸せと只々感謝です。

私は、まだ作品制作を粘りに粘ってやっています 

暑い中、是非にお越し下さいと言うのは大変恐縮なのですが、
お時間がありましたら、宜しくお願いいたします。

ず〜と会場に詰めているつもりですので、
お声をかけていただければ、
嬉しいです。

鎌倉芸術館

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今日は、私の住んでいる自治会の夏祭り。
盆踊りに子供みこし、模擬店が出て、住宅地内の公園は大賑わいでした。

イベントの一つに、近くの日野小学校の児童によるソーラン踊りがあり、
軽快なリズムに乗って、キレの良い踊りを子供たちが披露してくれました。

その引率に来られた先生をふと見ると、
なんと大学の後輩のSさん。

思わず近寄り、十数年ぶりの再会に、お互い歓声をあげて喜び合いました。
自分の母校に、後輩が勤務していてくれるなんて・・・凄く嬉しいです。



さて、先日ご案内した23日よりのグループ墨花展。
毎年会場として利用している鎌倉芸術館について、ご紹介します。

最寄り駅はJR大船駅です。

東口または笠間口より歩いて10分ほどのとこですが、
イトーヨーカドー大船店を目指していらしてください。
ヨーカドーのとなりです。




エントランスが広く、格調高い雰囲気です。
玄関を入ると正面に竹林の中庭が見えます。



中庭を囲んでギャラリーが3つあるのですが、正面向かって左側のギャラリー2で行われます。



写真は、昨年の会場風景です。
例年、暑さにもかかわらず、たくさんのお客様にお越しいただき、
皆様に心より感謝です

芸術館の1階に落ち着いた雰囲気のレストランもありますが、
私たちのお気に入りは、芸術館のななめ前にある、
イタリアンレストラン 

パスタ&ピザの専門店ラパットーラ 
特にパスタの茹で加減が絶品です 

墨花展のお帰りに立ち寄られては・・・
でも、いつも店内は混んでいるので、席が空いていたらラッキーです。

その他に、大船はたくさんの入ってみたいお店があります。







根付と篆刻

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ここ数日、学校で夏の書き込み補修が行われ、朝9:15集合、午後3時半まで生徒の猛特訓。
指導する側も、暑さの厳しい中、汗だくになって学校へ向かい、
教室内はエアコンが効いているものの、
連日の特訓で家に帰るとぐったりです。

明日から「第22回書展 グループ墨花」が開催されます。

案内はがきの発送・名札・目録・ポスターなど六名で仕事分担し、
私は間際までバタバタとやっています 

本日は、メンバーの一人、
湖蝶さんの篆刻を紹介します。



彼女に作ってもらった、私の印です。
印の素材は、石ばかりでなく、木や竹根もあります。
プロの篆刻家に印をお願いすると、高額な代金の支払いが必要ですが、
彼女は趣味で篆刻をしているので、比較的安価で作ってくれるので助かります。



本業は、現代根付師さんです。

根付に親しみのある方は少ないと思いますが、
江戸時代に煙草入れ、印籠、などを
紐で帯から吊るし持ち歩くときに用いた留め具です。

亡くなられた高円宮様が収集家として有名ですが、
彼女の根付も高円宮コレクションの一つに加えられているそうです。

昨年の7月には京都の根付会館で個展をされました。



その個展の「ナイルの幻想」という作品です 

そんな彼女が、「グループ墨花」では書作品に加えて、篆刻作品を発表しています。


「グループ墨花」へお越しの際は、展示ケース内の篆刻作品を是非ご覧いただき、、
湖蝶さんとお話してみてください 






第22回書展 グループ墨花 その1

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本日より 「第22回書展 グループ墨花」が始まりました。

朝9時より搬入・展示。
11時には準備万端で、メンバー6名で昼食にサンドウィッチを頬張り、
12時オープンに備えました。

外はムーとした湿気を帯びた空気にもかかわらず、
オープンからたくさんの方がぞくぞくと

12時から6時までの間に、150名近くの方々がご来場くださり、
本当に有難い限りです 



写真は本日の会場風景です。

現日会からも、会長、副会長、理事長、事務局長、副理事長と
その他幹部の先生方が続々とお越しくださり、
感激でした。

また、遠方から来てくれた友人に加えて、
教え子たち、他校の先生方といろいろな方々とお話ができ、
とても幸せな時間を過ごさせていただきました 

自分の作品をお客様に見ていただくとき、今回は恥ずかしさと後ろめたさがあります。
書き足りない作品を出品していることもありますが、
まだまだ力の足りない自分に、今更ながら気づいています 

作品を発表することは、自分をさらけ出すこと。
発展途上の私を見ていただくのも、
これからの自分にとって大切なことと思います。

25日まで、お時間がありましたら、ご覧頂きたく
お越しをお待ちしています。






第22回書展 グループ墨花 その2

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第22回書展 グループ墨花が終了しました。
2日+半日しかない会期で、450名近くの皆様にお越しいただき、
只々感謝の一言です


グループ展で、22年も続けている会はあまりないと思います。
5回展ぐらいまでは、お客様も少なく、
6名のメンバーだけで話をしている時間が長かったのですが、
継続は力なりですね。
今やギャラリーには、常にお客様がおられ、
賑やかな書展を開催することができました。

混雑の中に来てくださった方には、ご挨拶もしっかりできず、
失礼いたしました

長く続けられているのは、
互いを思いやれるメンバーとの絆、
そして、多くの方が観に来て下さるからです。

本日片付けの後、夕食を取りながらの反省会で、
来年もまた頑張ろうと、誓い合いました

私は6点出品させていただいたのですが、
今回の書展テーマは、「風の色」その1点です。



「黒風白雨」暴風とにわか雨。暴風雨の意。
いままでに体験したことのない大雨が降ったり、竜巻が起こったり、
人間にはなすすべのない自然の厳しさを感じていただければ、幸いです。

大きさは全紙2枚(135×140)
展示風景はこんな感じです






第22回書展 グループ墨花 その3

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「風立ちぬ、いざ生きめやも」という有名な詩句は、
ポール・ヴァレリーの詩の一節を
堀 辰雄が訳しています。

「風が起る!… 生きてみなければならない!」
古語文法から考えると誤訳の節もあるようですが、
風が起こり、自然は常に動いている。我々人間も力強く生きなければならないと、
いう意味だと思います。

今、公開中のジブリ映画「風たちぬ」
私は見てはいないけれど、
ユーミンの「ひこうき雲」がテーマソングで
大空への憧れと一生懸命生きる人がテーマだろうと想像します。

先日ご紹介した、グループ墨花のメンバーで
現代根付師の湖蝶さんの
お父様は昨年2月に交通事故に遭われ、
頚椎を痛めらけました。
一時はベットから起き上がれないほどの大怪我で
何回も手術を受けられ
過酷なリハビリの毎日だったと伺っています。

しかし、今回グループ墨花展にお越しくださり、
「グループ墨花」に来ることを目標に
辛いリハビリも耐えてこられたとのことです 


東京都内にお住まいですが、
「グループ墨花」への外出が初めての遠出とのことで、
付き添われていたお母様共々、
涙を流され、お喜びでした。

周りで見ていた私たちも、
胸が熱くなりました 

自然は、過酷なものばかりではなく、
私たちを包んでくれるような優しく穏やかな風もあるわけで…

逆風を追い風に変えて
これから強く生きていかれるよう
お父様にエールを送りたいと思います 

第22回書展 グループ墨花 その4

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8月は、前半に現日書展、
半ばは今回のグループ展の作品制作に追われ、
学校の補習に、グループ墨花展と
息つく暇もなく過ごしてきました。

ことのほか暑かったこともあり、身体を酷使してきたようで、
少しバテ気味。
昨日今日と、溜まっている家事は見なかったことにして
ゆっくり静養に努めています。

「グループ墨花」は大学の同窓生6名の集まりですが、
その中で同期生の秀翠さんの作品です。
大学入学時からの大親友で、互いに励ましあいながら、
ここまで共にやってきました。
長女がおめでたで、もうすぐおばあちゃんになるそうです。
私たちも、そういう年齢になってしまったかと
感慨深いものがあります



鰯雲昼のままなる月夜かな(鈴木花蓑の句)

料紙の模様がちょうど鰯雲のようで、素敵です





私の作品です。
「天馬行空」

天馬が遮る物のない大空を勢いよく走る姿から、
自由奔放で伸び伸びしている様の意。

おおらかで明るい家庭を作ってもらいたいと、
若いご夫妻の家庭にプレゼントすることなりました






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