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Channel: 忘己利他
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若い人へのメッセージ

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8月末のグループ展の作品制作をしなければと
時間が惜しい時期ですが、
どういうわけだかパソコンに向かっています。

機械音痴の私が自分の作品をフォトチャンネルにしてみました。
すでにこのブログに掲載したものがほとんどですが、
ご覧いただければ、幸いです 



娘が高校の国語の教員をしているのですが、
先日小論文の授業で
「書道」をテーマに論文を書いてきた生徒さんがいたそうです。

若い方々が書道に関心を持って下さるのは大変ありがたいことですが、
最近流行っている音楽にのって大きな文字を書くパフォーマンスや、
外人が着ている手書き文字のTシャツが日本文化の書道だというのは、
いかがなものでしよう。

それも一つの楽しみ方ではありますが、
「書の世界」は、底知れない奥深さがあり
それを探求する地道な鍛錬が必要です。

娘に依頼されて、高校生に理解してもらうために
「書道について」以下書いてみました。
拙文ですが、読んでいただければ幸いです。



 日本語は漢字と仮名を用いて表記されます。漢字は中国から伝来したものであり、仮名はその漢字を基に日本で作られたものです。ですから、我が国の文字文化は、中国の影響を色濃く受けているのです。書道もまた、中国から伝えられたもので、我が国の有名な書家は、すべて中国の書家が書いた古跡を手本として、書を学びました。
 現代社会において、携帯・パソコンの普及により、日本人は活字漬けになってしまい、手書きの文字に触れること、自ら文字を書く事が疎かになりました。活字は読みやすい特性は持ち合わせますが、機械で作られた文字という点から、筆者の心情を表現することは不可能です。その点手書きの文字は、書き手の温もりを感得することができ、手書きの文字の手紙を受け取ると、差出人の心が伝わります。
 現代は筆記用具・紙の普及により学校でもノートを取るなど、ペンや鉛筆、シャープペンシルなど使用することは当たり前ですが、昔はシャープペンシルがなく、ペンや鉛筆・紙は貴重品でした。人々は皆、筆を用いていました。現代において、書道をやるということは、趣味・道楽のように捉えられていますが、一昔前は、実用的に使用されていたものでした。書道が日本文化の一つとして捉えられる理由がそこにあります。
 書道は武道や華道・茶道というように「道」という文字がつきます。これは、長い間の修行が伴い、日本人特有の克己の精神を修練し、人格形成を目標とするものだと言われています。ただ、文字を書いたから「書道をやっている」ではなく、書道を通して立派な人間になろうとする努力が必要なのです。「書は人なり」「書は心の鏡」と言われ、書いた作品を見れば、書いたその人がどのような人かわかると言われます。
 また、現代において書作品は、平面芸術として、美を追求することも一つの要素です。単に美しさを追うばかりでなく、その作品から感じられる趣や風情により、作者の心情や思想を鑑賞者に訴える作品が求められます。
 先に述べたように文字や書道は中国で作られ、日本に伝来したものでありますが、近年は日本人独自の感性により、中国の書道とは違った面をもった作品の数々が発表され、日本独自の書道文化が確立されています。最近は、活字が一般的で、珍しい手書きの文字が注目を集め、ポスターや看板・商品のロゴなどに用いられることもしばしばです。
 近年、欧米諸国でも漢字が注目され、書道に興味を持って下さる方々も多いようですが、ますます多くの方々に見ていただき、絵画などと並ぶ芸術文化として、書道の普及を願いたいと思います。










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