お陰様で、第26回書展グループ墨花が終了しました。
たくさんの方々にご来場をいただき、有難うございました。
そのグループ墨花の作品は、ちょっと置いておいて、
12日で終了した第57回の作品紹介が途中でしたので、
そちらを先に。
お付き合いいただければ、幸甚です。
今回より現日書展は、2点目の出品が認められ、臨書部を設けられました。
我々の作品において、字形の崩れや筆法の乱れが頻繁に指摘されることから、
書の原点・基本である臨書の重要性を再認識するべきという考えからです。
臨書を学ばずに創作することはできません。
臨書をすることによって、創作の幅を広げることができるはず。
臨書は舞台裏の仕事と言われますが、書を学ぶ状況を表に出すことによって、
新しい発見があり、新たな道筋を模索することができればと思います。
そして、今回私が選んだのは、チョ遂良の「雁塔聖教序」原寸臨書
以下、九州国立博物館長の島谷先生が雁塔聖教序について、解説されています。
聖教序とは新訳の経論に対して皇帝より賜る御製の序であるが、
今日、648年(貞観22)唐の太宗が玄奘(げんじょう)の懇請によって
つくった「大唐三蔵聖教序」がもっとも著名である。
このとき、皇太子であった高宗も述聖記を撰した。
唐の都長安(現西安)の大慈恩寺の大雁塔には、
第一層の南面の両側に小室を設け、東側に聖教序碑、
西側に述聖記碑をはめ込む。
ともに、当時の能書で初唐の三大家として名高いチョ遂良の書で、
653年(永徽4)の年記が加えられている。
碑はいずれも高さ177.8センチメートル、幅86.6~100センチメートルの
黒大理石が使われており、良好な状態で伝存する。
虞世南(ぐせいなん)や欧陽詢(おうようじゅん)の楷書(かいしょ)とは
趣(おもむき)を異にした新しい楷書体で、
伊闕仏龕碑(いけつぶつがんのひ)(641)、孟法師碑(もうほうしのひ)(642)などの
遺品のなかでも、遂良独自の書風を完成させた最高傑作。
楷書の範として尊重される。
全体です↑
字粒が小さいので、会期中作品の前で何人かの方が
メガネをかけたり、はずしたりして、観てくださっていました。
未熟な作品ですが、ご覧いただき、有難うございました。