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Channel: 忘己利他
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第22回蘭秀会書展 その2

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先日、町田の蘭秀会書展へ伺い、
仲良しの沙於里さんの作品を
じっくりと拝見しました

私のような者が、彼女の作品を評するのは、生意気でおこがましいのですが、
今年は「凄い」と思いました

毎年彼女の作品を拝見して、その才能にただならぬ物を感じていたのですが、
これまで被っていた殻を打ち破り、脱皮を果たした沙於里さんがいました。

何に迷っていたのか、何をこだわっていたのか?わかりませんが、
それも彼女がトンネルを抜け出る、大切な過程だったのでしょう。

作品の撰文も、そんな自分を表しているように思います。


「非思量」
全ての観念を捨てた無分別の境地の意。

多様な線を使用し、木簡のとぼけた雰囲気が好感。
「書は人なり」まさに彼女を表している作品で、
飄々とし何物にもこだわらず、潔さがあります。



「澹如水」
水が静かに揺れ動く様。物事に執着しないこと。

「澹」さんずいの3画目、
「如」女の1画目
「水」の縦画
この3点の強い線に注目。
この線によって、他の静かな部分が生かされていると感じます。

彼女は絵手紙を書く際、
「ヒャ~」とか「ば~ん」とか「べんべん」とか、
掛け声をかけて書かれるのですが、
多分これらもそんな気合を入れて書いたのでは・・・

様々な紆余曲折を繰り返した後、
やがて自由奔放で洋々たる大海へ。
注ぐ流れを
自分に置き換えているように思います。


金文「甲子朝」
金文というのは、、青銅器の表面に刻まれた文字のこと。
半切に長い壺を書いて、その中に文字を書く。
高台には落款。すごい発想だ。

彼女はこの作品を「かわいい」と評する。
こんな遊び心と気取りのないところが
彼女の魅力だと思う。


これからは、もっともっと大きく羽ばたく
彼女の作品が拝見出来るはず。

明後日(10日)から、「祈りのかたち」と題して、
沙於里さんの個展が開催されます。

ぜひぜひ、足を運んでみてください



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