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Channel: 忘己利他
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幕田魁心先生の書に触れて

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昨日は、天気予報で4月上旬の暖かさと、
浮かれ気分だったのですが、
さほど暖かいとは感じず、
やはり1月。

午前中12時までお稽古をして、
一目散に銀座の洋協ホールへ。
午後1時からの幕田先生の講演会に参加し、
席上揮毫を拝見させていただきました。

講演会は、とても、和やかな雰囲気で、
先生の温和なお人柄とご門弟に慕われておられる様子が
感じられました

お話と並行して、実際に横角の起筆の比較を書いて見せて下さり、
硬筆と毛筆の違いは、硬筆は字形の美が勝負だが、
毛筆は、筆の弾力を使い、無限大の表現が可能となる。
そこに書の芸術性が生まれると。

「馬」という文字を何種類も書いてくださり、
「個性」と「くせ」の違いは、
「個性」は、支持者がいるという客観性があることと。
どの「馬」も素敵です。

      

線を書く時は、筆を立てて書くと、紙の中に線の深さが出て、
線に立体感が生まれてくる。
木に文字を書いた場合、墨が木に入って三寸(約10cm)ほど染み込む。
これを「入木三寸」というそうです。
筆が立たず傾いたまま書くと、墨は三寸も染み込んでいかない。
など、多く納得できる、説得力あるお話をきくことができました。

     

先生の書のテーマは、「変化と統一」だそうで、
根底には様々な古典があるが、
その中でも何紹基の粗密と不均衡の変化を使用しながら
バランスをとっているとおっしゃっていました。

そして、「美」は書作の最大のテーマだと。

先生のお言葉の一つ一つが、
そして線の一本一本が、
ずしりと重く、
私の中に
響くものでした

席上揮毫で、すでに表装された掛け軸に
「威風堂々」と「花鳥風月」を
書いて見せてくださいました。



     
(書き上がった掛け軸)

以下2点は、今回の書展に出品された、先生の作品です。

     
(十二支)


(啐啄之機)、絶好の機会、といった意味で、鳥が卵からかえる時に、内側からつつくヒナを「啐」と言い、外側から絶妙なタイミングで突いてサポートする親鳥を「啄」という。
このヒナがかえる絶妙なタイミングに例えて「啐啄(そったく)」と言います。

巣の卵の中で、ず〜とのんびりしている私ですが、
昨日のような講演会で、これからもどんどん刺激をいただくよう、
心がけていかなければと思います








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