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Channel: 忘己利他
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うつろい

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第25回書展 グループ墨花 出品作 
「ちはやふる」臨書から創作へ

台風10号が通り過ぎ、東北と北海道に大きな爪痕を残しました。
被災された皆様に、お見舞い申し上げます。

このところの自然の猛威。
「いまだかつて経験のしたことのない」
という、フレーズを耳にします。

今や、自然というものは、四季の移り変わりで、
穏やかに移ろうものではなく、
突然その移ろいはやってきます。

でも、それは、人間自身の移ろいが
原因なのではないでしょうか?

上の作品は、古今集から

「ちはやぶる 神なび山の もみぢ葉に 思ひはかけじ うつろふものを」

「神なび山」の紅葉に思いをかけるのはやめましょう、色が変わってしまうものだから

「ちはやふる」とは、神にかかる枕詞で、荒々しく勢いのある様をいうそうです。
この自然の猛威が、神の怒りだとすれば、それは人間の移ろいに向けたものなのかもしれません。

上の作品は、高野切第二種の拡大臨書(右)と、そこから同じ歌を展開しての創作(左)です。
「今だから、臨書」とある書道会で臨書の企画展を開催していましたが、
「今さら、臨書」という方もいらっしゃって・・・
書道界にも「移ろうもの」は、多くありそうです。


でも
臨書の重要性を常々感じ、
書作の基盤はやっぱり臨書、
そこだけは、曲げられないことだと
私は思っています。







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