今年のはじめ、
ある方から
「無事」という作品の依頼を受けました。
急ぎませんから・・・
というお言葉に、
ず~と先延ばしにしていたのですが
お正月までには
なんとかしなければと、
重い腰をあげて
書き始めました。
ご依頼頂いた方は、
これからの家族の「無事」を祈って
家にかけておきたいと
おっしゃっていました。
私たちは、何気なく「無事」という言葉を
普段と変わりなく、
過失や事故のないこと。
健康で元気、つつがないこと。
で使っていますが、
それは、とても大切なことです。
それ以上に調べてみると
「無事」は、
外に向かって求める心をすっかり捨て切った身の上を言うそうです。
求めなくてもよいことに気づいた安らぎの境地。
求める心を捨てて、欲を捨てて
無限にして偉大なるものに生かされている自分に気づくことができる。
求めずとも既にそれに抱かれ、
生き生きと輝いている自分を発見できる。
そんなことが臨済宗の教えとしてありました。
私たちは、ああしたい、こうしたいと
いつも良いものを求め、
こうなりたいと欲ばり、
今以上の幸せを求めています。
求めずとも、すでにそれに抱かれている・・・
足るを知ることが
「無事」なのかと
一つ勉強になりました。
昨日書いた作品ですが・・・
もう一度書いてみます。
こうして、健康で普段と変わりなく
「書」を楽しめること、
これは、私にとっての「無事」ですね